WordPressで絶対に入れるべきセキュリティプラグイン5選|初心者でも簡単に導入できサイトの安全性を高められる!

🟧 皆様のWordPressサイトは安全ですか?

WordPress(ワードプレス)は、世界で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)です。全世界のWebサイトの**約43%**がWordPressで構築されており、日本でも企業サイトやブログ、ネットショップなど幅広く活用されています。

誰でも無料で利用でき、テーマやプラグインを組み合わせることで、デザインも機能も自由にカスタマイズできる──
それがWordPressの最大の魅力です。

しかしその「自由さ」と「普及率の高さ」が、同時に最大のリスクにもなっています。
なぜなら、利用者が多いほど「攻撃者にとって狙う価値がある」からです。WordPressは世界中のハッカーの研究対象であり、日々新たな攻撃手口が登場しています。

セキュリティ対策をしていないサイトは、家の鍵を開けっぱなしにしているようなもの。気づかないうちに不正ログインされ、改ざんされ、検索エンジンからペナルティを受けるケースも少なくありません。

🟧 なぜWordPressサイトは狙われるのか?

WordPressはオープンソースソフトウェアです。
つまり、世界中の誰もがその構造を確認でき、自由に改良・再利用できます。

この仕組み自体は決して悪いことではなく、むしろWordPressがここまで発展した理由でもあります。
ただし、その“透明性”が攻撃者にも情報を与えることになります。

WordPressが狙われる3つの主な理由

✅ 利用者が多い(=攻撃の効率が高い)

攻撃者にとってWordPressは「一度仕組みを攻略すれば、世界中の何百万サイトに応用できる」格好の的です。

✅ 古いバージョンの放置

WordPressやプラグインを更新せずに放置しているサイトが多数存在します。攻撃者はその脆弱性を突いて自動的に攻撃を行うプログラム(ボット)を利用しています。

✅ 誰でもプラグインを作れる仕組み

オープンなエコシステムだからこそ、品質がまちまちなプラグインが存在します。コードが更新されない、もしくは悪意あるプラグインが出回ることもあります。

🟧 サイトで起きた実際の被害例

事例①:ブログ改ざんとスパム広告の埋め込み

個人ブログを運営していたAさん。数週間更新をサボっていたある日、サイトを開くと知らない英語の広告が大量に表示されていました。
調べると、ログイン画面から不正アクセスされ、テーマファイル内にスクリプトが埋め込まれていたのです。
WordPressとプラグインの更新を怠っていたことが原因でした。

事例②:管理画面へのログイン不能

小規模店舗のB社では、ある日突然WordPressのログインができなくなりました。
ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)によりパスワードが突破され、管理者権限を奪われていたのです。
幸いバックアップを取っていたため復旧できましたが、営業サイトが数日間停止する被害を受けました。

事例③:マルウェア感染によるSEO被害

別の企業サイトでは、気づかぬうちに悪意のあるコードを埋め込まれ、外部サイトへのリダイレクトが発生。
Googleから「不正なサイト」として検索結果から除外され、再審査まで数週間かかりました。
この間、問い合わせ数はゼロに。経済的損失も発生しました。

これらはすべて、「セキュリティ対策をしていなかった」または「古いプラグインを放置していた」ことが原因でした。

🟧 システムをアップデートする重要性

WordPressを安全に運用する上で、最も大切でありながら、最も軽視されがちなポイント――それが「アップデート」です。
WordPressを使い始めたばかりの人にとって、更新通知が出るたびに「あとでやろう」「面倒だから後回し」と思ってしまう気持ちはよくわかります。ですが、その「放置」こそが、セキュリティリスクを最も高める行為なのです。

アップデートは“新機能追加”だけではない

WordPressでは定期的に「コアアップデート(本体の更新)」が行われています。
この中には、見た目の変化や新しい機能の追加だけでなく、過去に発見された脆弱性(セキュリティの穴)の修正も含まれています。

たとえば、2024年には管理画面のセッション制御に関する脆弱性が報告され、それを修正するアップデートが配布されました。もし、この修正版を適用していないサイトがあった場合、悪意ある第三者がその脆弱性を突いて、管理者権限を奪取することができてしまう可能性があります。

つまり、アップデートを怠るということは、**「世界中に公表されている弱点を自らさらしている状態」**を意味します。攻撃者は「古いバージョンのWordPress」を自動的にスキャンして狙うツールを使っているため、特定の誰かを狙うわけではなく、「更新されていないサイト」が機械的に攻撃対象にされてしまうのです。

プラグインとテーマも“アップデート必須”

WordPress本体だけでなく、プラグインテーマにもアップデートがあります。これらもまた、開発者が新しいWordPressの仕様に対応させたり、発見された不具合・脆弱性を修正したりするために更新を行っています。

たとえば、セキュリティプラグイン「All In One WP Security & Firewall」や「Wordfence Security」などは、常に新しい攻撃パターンに対応するためのアップデートを続けています。更新を止めてしまえば、それ以降に出てきた攻撃には防御できないということ。

また、テーマにおいても同様です。特に無料テーマや古い有料テーマでは、アップデートが止まっているものもあります。古いテーマのまま使用していると、WordPress本体のバージョンアップと互換性が取れず、エラーや表示崩れが発生することがあります。

アップデートを行う前にすべき3つの準備

アップデートは大切ですが、「更新したらサイトが真っ白になった!」というトラブルも珍しくありません。安全にアップデートを行うためには、次の3つの準備を必ず行いましょう。

✅ バックアップを取っておく

まず最優先すべきは「バックアップ」です。WordPressのアップデートでは、データベース構造や内部ファイルが書き換えられるため、失敗したときに元に戻せなくなることがあります。プラグイン「BackWPup」や「UpdraftPlus」を使えば、自動的にデータベースとファイルをクラウドに保存することができます。バックアップを定期的に取っておくことで、アップデート後にエラーが発生した場合でも、すぐに以前の状態に**ロールバック(巻き戻し)**することが可能です。

✅ テスト環境(ステージング環境)を作る

可能であれば、本番サイトと同じ構成の「テストサイト(ステージング環境)」を作っておくことをおすすめします。多くのレンタルサーバー(例:エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ!など)では、ワンクリックでステージング環境を作る機能があります。ステージング環境でアップデートを試して問題がなければ、本番サイトでも安心して更新を実行できます。万が一トラブルが起きても、本番サイトは影響を受けません。

✅ 不要なプラグインは削除しておく

使っていないプラグインは、それ自体がリスクになります。
有効化していなくても、サーバー上に残っているだけで脆弱性を突かれる可能性があるため、不要なプラグインは必ず削除しておきましょう。

✅ アップデートを怠るとどうなるか?

WordPressは世界中のウェブサイトの約40%以上で使われているといわれています。つまり、それだけ「攻撃の価値があるプラットフォーム」ということです。実際に、アップデートを怠ったことで次のような被害が起きています。これらのトラブルは、決して特別な話ではありません。WordPressを少しでも長く運営していれば、誰でも直面する可能性があります。

・ 古いプラグインの脆弱性を突かれ、サイトが改ざんされた

・ マルウェアを仕込まれ、Googleから“安全でないサイト”の警告を受けた

・ テーマ更新の不備で管理画面にアクセスできなくなった

・ バックアップを取っておらず、数年分の記事データを失った

アップデートこそ最強の防御

「今のところ問題がないから大丈夫」と思って放置してしまう人は多いですが、問題は**“見えないところで進行している”**場合がほとんどです。
脆弱性を利用して設置されるマルウェアの中には、サイトの裏側でひっそりとデータを送信し続けるものもあります。

一見正常に見えても、実際はすでに不正アクセスの被害に遭っていた――というケースは少なくありません。そうならないためには、WordPress本体・プラグイン・テーマを常に最新の状態に保つことが何より重要です。

WordPressのセキュリティ対策には、ファイアウォールやログイン制限など様々な方法がありますが、
どんな高度なプラグインを導入しても、「古いWordPress」を使い続けていては意味がありません。アップデートは、**“防御の第一歩”であり、最後の砦”**です。バックアップを習慣化し、テスト環境で安全に検証する仕組みを整えておけば、アップデートは怖くありません。

放置は最大のリスク。
“更新し続けること”が、あなたのWordPressサイトを守る最も確実な方法です。

🟧 「プラグイン」とは何か?初心者でもわかる基本

WordPress本体は最小限の機能しか備えていません。そのため、必要な機能を「プラグイン」という拡張モジュールで追加します。

プラグインには以下のような種類があります。

・ デザイン補助(スライダー、ギャラリーなど)

・ SEO対策(All in One SEO、Yoastなど)

・ 速度改善(キャッシュ系プラグイン)

・ セキュリティ(今回のテーマ)

・ バックアップ・メンテナンス系]

ただし、便利だからといって入れすぎは禁物。プラグインの競合や動作遅延、脆弱性の温床になる可能性もあります。「必要最低限を厳選して使う」のが安全運用の鉄則です。

🟧 おすすめのセキュリティプラグイン5選

WordPressでは「便利そうだから」と次々にプラグインを入れてしまいがちですが、入れすぎは絶対に禁物です。
プラグイン同士が競合してサイトが不安定になったり、動作が重くなったりするだけでなく、更新されていない古いプラグインが脆弱性の温床になることもあります。

セキュリティの観点から見ても、「必要最低限を厳選して使う」ことが鉄則。
今回紹介するプラグインのうち、**最初の4つ(CloudSecure WP Security、SiteGuard WP Plugin、All In One WP Security & Firewall、Wordfence Security)**は似た機能を持っているため、いずれか1つに絞って導入するのがおすすめです。それぞれの特徴を理解し、自分の運営スタイルに最も合ったものを選びましょう。

⚠️プラグイン情報の更新について

この記事で紹介するプラグインの機能や設定画面、アイコンデザインなどは、すべて2025年10月現在のものです。

WordPress本体やプラグインのアップデートにより、内容や画面構成が変更される可能性があります。
特に人気プラグインは、セキュリティ強化やUI改善のために頻繁に更新されるため、
「見た目が違う」「設定項目が増えている」「プラグイン名が変わっている」といったケースも珍しくありません。

そのため、導入前には公式サイト(WordPress.orgや開発元のページ)や「プラグイン名 アップデート」で検索するなどして、最新情報を確認するようにしてください。もし名前や見た目が変わっていても、実際は同じプラグインであることが多いので、焦らず内容を確認すればOKです。

✅ CloudSecure WP Security

CloudSecure WP Securityは、完全に国産で日本語対応のセキュリティプラグインであり、特にWordPressの管理画面やログインページを狙った不正アクセスからサイトを守ることに特化しています。

WordPress初心者でも迷わず導入できるように設計されており、複雑な設定を必要とせず、数クリックで主要な防御機能を有効化できるのが魅力です。

このプラグインは非常に軽量で、サーバーに負荷をかけずに動作するため、小規模サイトや個人ブログでも安心して利用できます。また、ログインURLを変更したり、アクセス制限をかけたりと、基本的な防御機能を最初に備えておくことで、後からより高度なセキュリティ対策にステップアップしやすくなります。

さらに、CloudSecure WP Securityは日々の管理作業に影響を与えずにセキュリティを強化できる点も大きなメリットです。たとえば、管理画面への不正アクセスや総当たり攻撃を自動で遮断するため、サイト運営者はコンテンツ作りや更新作業に集中できます。日本語UIとマニュアルが整っているので、専門知識がない初心者でも迷わず操作でき、安心してサイト運営を開始できます。

⭕ 主な機能

・ ログインURLの変更

・ アクセス制限/IP制御

・ CAPTCHA(画像認証)

📌 メリット

・ 日本語UI・ドキュメントが充実しており初心者でも使いやすい

・ 軽量でサーバー負荷が少ない

・ 管理画面・ログインページの防御に特化している

⚠️ 留意点

・ マルウェアスキャンやファイル改ざん検知などの高度機能は非対応

・ 大規模サイトや多層防御には他プラグインの併用が必要

✅ SiteGuard WP Plugin

SiteGuard WP Pluginは、国内企業JP‑Secureが開発した日本語対応プラグインで、特にログイン画面や管理画面を狙った攻撃の防御に優れています。ブルートフォース攻撃や総当たり攻撃からサイトを守ることに定評があり、初心者が最初に導入すべきプラグインのひとつとして推奨されています。

このプラグインの強みは、設定画面やマニュアルが完全に日本語化されていることです。初心者でも直感的に操作でき、複雑な専門用語を理解する必要がありません。また、ログイン試行回数制限やアクセス制限などの基本機能を有効にするだけで、多くの不正アクセスを防ぐことができます。

さらに、SiteGuard WP Pluginは、ログイン通知機能も備えており、誰かがログインを試みた場合に管理者にメールで通知されます。これにより、不正アクセスの兆候を早期に把握でき、迅速に対策を取ることが可能です。導入することで、初心者でも安心してWordPressサイトを運用できるようになります。

⭕ 主な機能

・ ログイン試行回数制限

・ ログインURLのリネーム

・ ログイン通知メール

📌 メリット

・ 日本語でわかりやすく、初心者でも安心して導入できる

・ 管理画面・ログイン画面防御の実績が豊富

・ 軽量でサーバー負荷が少ない

⚠️ 留意点

・ サイト全体の防御には不十分なため、バックアップやファイアウォールプラグインと併用が望ましい

・ 高度なマルウェア検知は非対応

✅ All In One WP Security & Firewall

All In One WP Security & Firewallは、英語圏で開発された多機能プラグインですが、日本語化されている場合もあり、WordPressサイト全体を多角的に保護する「オールインワン型」のセキュリティプラグインです。ログイン保護だけでなく、ファイルやデータベースの保護、コメントスパム対策、ユーザー権限の強化など、多岐にわたる機能を提供しています。

特に初心者に便利なのが、「セキュリティスコア」で自分のサイトがどの程度守られているかを可視化できる点です。これにより、どの機能を有効にするべきか判断しやすくなり、段階的に設定を強化できます。基本機能だけでも十分に防御効果があり、必要に応じて高度な設定に挑戦することも可能です。

また、All In One WP Security & Firewallは、サイト運営者が普段の管理作業を妨げずに防御機能を強化できる点も魅力です。設定が多い分、最初は戸惑うかもしれませんが、初心者でも基本機能だけでサイト全体の安全性を向上させることができます。複数の防御層をまとめて管理できるため、セキュリティ意識が高まると同時に運用も簡単になります。

⭕ 主な機能

・ ログイン試行制限・ロックアウト

・ ファイル変更監視

📌 メリット

・ ログイン保護とサイト全体の防御を同時にできる

・ セキュリティスコアで防御レベルを簡単に確認可能

・ 初心者でも基本設定だけで十分活用できる

⚠️ 留意点

・ 設定項目が多く、初心者はやや戸惑う場合がある

・ 高度なマルウェアスキャンやファイアウォールは専用プラグインに劣る

✅ Wordfence Security

Wordfence Securityは、世界中で非常に多く利用されている高機能セキュリティプラグインです。攻撃の防御だけでなく、マルウェア検知やファイアウォール、二段階認証など幅広い機能を備えており、サイトを攻撃される前に備える「予防型セキュリティ」が特徴です。

特に注目すべきは、WordPressの脆弱性情報や攻撃パターンを自動的に更新する機能です。これにより、最新の攻撃手法に対応しやすく、初心者でも手軽に強固な防御体制を整えることができます。さらに、ライブトラフィック情報で現在のアクセス状況を監視できるため、不審なログインや攻撃の兆候をリアルタイムで把握可能です。

Wordfence Securityは機能が非常に多い分、設定や管理には少し慣れが必要ですが、基本機能だけでも十分に防御力があります。サイト規模が大きい場合や本格的にセキュリティを強化したい場合には特に有力な選択肢となります。初心者でも順を追って使い方を覚えられるよう、公式マニュアルやチュートリアルが充実しています。

⭕ 主な機能

・ マルウェアスキャン

・ ファイアウォール

📌 メリット

・ 高性能で信頼性が高い

・ 無料版でも十分な防御力を提供

・ 攻撃パターンや脆弱性情報が自動更新される

⚠️ 留意点

・ サーバー負荷が高めで、共有サーバーでは動作遅延の可能性

・ 設定項目が多く、初心者が誤るとログインできなくなることも

✅ BackWPup

BackWPupは、攻撃を防ぐだけでなく、万が一サイトが被害に遭った場合に復旧できる体制を整えるバックアップ専用プラグインです。セキュリティ運用では「防御」と「復旧」の両立が重要であり、BackWPupはその「復旧面」を担当する重要なプラグインです。

自動バックアップ機能により、データベースだけでなくテーマやメディアファイルなどサイト全体を定期的に保存できます。さらにDropboxやGoogle Drive、Amazon S3などの外部クラウドにバックアップを保存できるため、サーバー障害や攻撃によるデータ消失のリスクを大幅に減らせます。

初心者でも設定が簡単で、ウィザード形式の操作に従うだけでバックアップ体制を整えられます。これにより、万が一サイトが改ざんされても短時間で復元可能となり、被害を最小限に抑えることができます。バックアップは「防御」ではないものの、セキュリティ運用において欠かせない土台として必ず導入しておくべきプラグインです。

⭕ 主な機能

・ 自動バックアップ(データベース・ファイル)

・ 外部クラウド保存対応

📌 メリット

・ 万が一サイトが改ざんされても、バックアップからすぐ復元可能

・ 初心者でもウィザード形式で簡単に設定できる

・ サイト運営の安心感を大幅に向上

⚠️ 留意点

・ バックアップだけでは攻撃を防げないため、防御プラグインと併用する必要あり

・ 最新バージョンでの動作や設定には事前確認が望ましい

🟧 プラグインだけに頼らない!追加のセキュリティ対策

セキュリティプラグインはとても便利で、WordPressを守るうえで欠かせない存在です。しかし、「プラグインを入れたから安心」ではありません。最終的にサイトを守るのは「設定」と「運用」です。ここでは、プラグイン以外でもすぐに実践できる5つの基本的なセキュリティ対策を紹介します。

✅ 1. 強固なパスワードを設定する

まず最初に見直したいのが「パスワードの強度」です。
「123456」や「password」などの単純な文字列は、数秒で破られます。
攻撃者は総当たり(ブルートフォースアタック)で無数のパターンを自動入力してくるため、簡単なパスワードはすぐに突破されてしまうのです。

安全なパスワードの条件は以下の通りです:
どうしても覚えにくい場合は、「パスワード管理アプリ」を使うのもおすすめです。「1Password」「Bitwarden」などのツールを使えば、複雑なパスワードを自動生成・保存できます。

・ 英字(大文字・小文字)、数字、記号を組み合わせる

・ 12文字以上にする

・ 他サイトと同じパスワードを使い回さない

✅ 2. 管理者IDを“admin”のまま使わない

WordPressをインストールすると、初期状態では「admin」というユーザー名が設定されることがあります。しかし、この「admin」は世界中の攻撃者がまず最初に狙うIDです。
ログイン画面に「admin」を入力してパスワードを総当たりする攻撃は非常に多く、これを放置するのは危険です。

対策としては、以下の2つの方法があります:
削除する際は、既存の投稿や固定ページを新しいアカウントに引き継ぐ設定を忘れずに。たったこれだけで、不正ログインの確率を大きく減らせます。

・ 新しい管理者アカウントを別の名前で作成する(例:「siteowner」など)

・ 古い「admin」アカウントを削除する

✅ 3. SSL(https)化を必ず設定する

SSLとは、サイトと閲覧者の間でやり取りされるデータを暗号化する仕組みです。
これを設定することで、パスワードや個人情報などの通信内容を第三者に盗み見られるリスクを防ぎます。

今ではGoogleも「SSL化されていないサイト」を警告表示するようになっており、SSLは安全性だけでなく信頼性の証でもあります。

ほとんどのレンタルサーバー(エックスサーバー・ロリポップ・ConoHaなど)では、無料でSSL証明書を発行できます。
エックスサーバーの場合、「サーバーパネル → SSL設定 → 無料独自SSLを追加」で簡単に導入できます。

SSL化をした後は、WordPress管理画面の「一般設定」でURLを
http://https:// に変更しておきましょう。

✅ 4. アクセス制限を設定する

WordPressのログイン画面(/wp-login.php/wp-admin/)は、誰でもアクセスできます。そのため、全世界からの不正アクセスの的になりやすい場所です。

これを防ぐには、特定のIPアドレスからしかアクセスできないようにするのが効果的です。設定方法はサーバーごとに異なりますが、エックスサーバーの場合は「アクセス制限」機能から簡単に設定できます。

✅ 5. コメントスパム対策を行う

WordPressのコメント欄には、スパム投稿が大量に届くことがあります。英語で怪しいリンクを貼り付けたり、広告目的のコメントが延々と送られてくることも珍しくありません。これを放置すると、SEO評価が下がったり、閲覧者の信頼を損なう恐れもあります。

そこで活躍するのが「Akismet Anti-Spam」や「reCAPTCHA」などの対策ツールです。また、コメント機能を使っていない場合は、思い切ってコメント欄自体をオフにするのも効果的です。
「ディスカッション設定」で簡単に無効化できます。

また、コメント機能を使っていない場合は、思い切ってコメント欄自体をオフにするのも効果的です。
「ディスカッション設定」で簡単に無効化できます。

・ Akismet:WordPressに標準搭載。スパムコメントを自動で判別して削除。

・ reCAPTCHA:Google提供の認証機能。「私はロボットではありません」を表示してボットをブロック。

🟧 定期点検と保守のチェックリスト

WordPressサイトを安全に運営するためには、「作ったら終わり」ではなく「定期的な点検」が欠かせません。

ここでは、初心者でもすぐに実践できるチェックリストを紹介します。1か月に1回程度、この項目を見直すだけでも、トラブルを未然に防ぐことができます。

🔍 チェックの頻度とコツ

・ 月1回を目安に全項目を確認

・ 大きな更新(WordPressやプラグインのメジャーアップデート)があった時は、バックアップを取ってから実施

・ 何か変更を加えたあとは、必ずサイトの表示を確認しておく

WordPressは「運用しながら育てるシステム」です。
日常的なメンテナンスを習慣にすることで、トラブルのほとんどは防げます。

✅ 1. WordPress本体を最新化したか

WordPress本体の更新は、サイトの“基盤”を守る最も大切な作業です。
アップデートには、新機能の追加だけでなく、発見された脆弱性を修正する重要な変更が含まれています。

古いまま放置していると、過去の脆弱性を狙った攻撃を受けるリスクが高まります。
管理画面の「更新」メニューから、定期的に最新バージョンにしておきましょう。
更新前には、念のためバックアップを取るのを忘れずに。

✅ 2. プラグインをすべてアップデートしたか

プラグインは便利ですが、数が増えるほど更新の手間も増えます。
開発者は常に不具合やセキュリティの修正を行っており、更新を怠ると脆弱性の原因になります。

ダッシュボードの「プラグイン」一覧から、更新があるものを一括アップデートしましょう。特にセキュリティ関連のプラグインは、できるだけ早めの更新が安全です。もし更新で不具合が出た場合に備え、バックアップを先に取っておくと安心です。

✅ 3. 不要なプラグインを削除したか

使っていないプラグインを放置していませんか?
無効化していても、サーバー上に残っているだけで攻撃の対象になることがあります。

また、古いプラグインは脆弱性が放置されているケースも多く、削除するだけでリスクを減らせます。「今のサイト運営に本当に必要か?」を定期的に見直しましょう。使わないプラグインは、思い切って削除するのが安全です。

✅ 4. バックアップが自動で保存されているか

バックアップは“保険”です。どんなに対策をしていても、トラブルは突然起こります。プラグイン「BackWPup」や「UpdraftPlus」を使えば、自動でバックアップを取る設定が可能です。保存先はサーバーだけでなく、DropboxやGoogle Driveなどのクラウドに設定しておくのがおすすめ。「もしもの時にすぐ復旧できるか?」を意識して、定期的にテスト復元もしてみましょう。

✅ 5. アクセスログに異常がないか

WordPressにはアクセスログ(訪問履歴)を記録する機能があります。
これを確認することで、不審なログイン試行や海外からの大量アクセスなど、攻撃の兆候を早期に発見できます。

セキュリティプラグイン(例:SiteGuard WP PluginやWordfence)には、ログイン履歴を通知する機能があります。知らないIPアドレスや大量のログイン失敗があれば、すぐにパスワードを変更しましょう。
ログの確認は「月に1回の健康診断」と考えると続けやすいです。

✅ 6. 管理者アカウントが適切か

管理者(Administrator)アカウントの設定も非常に重要です。「admin」や「administrator」など、誰でも予想できる名前は避けましょう。また、管理者は最小限にし、他の人には「編集者」「投稿者」など必要な権限だけを与えるのが安全です。

二段階認証を設定しておけば、ログイン時に不正アクセスを防ぐことができます。
パスワードは長く複雑なものを定期的に変更しましょう。

🟧 初心者が陥りがちな3つの誤解

WordPressのセキュリティ対策について調べていくと、さまざまな情報が出てきます。
しかし、その中には「間違った思い込み」や「古い情報」も少なくありません。

とくに初心者ほど、“なんとなく安心だと思っていた”ことが、実は大きなリスクにつながるケースが多いのです。ここでは、WordPress初心者がよく抱く 3つの代表的な誤解 を取り上げ、正しい考え方を解説します。

誤解①:「無料テーマなら安全」

「WordPressの無料テーマを使えば費用がかからないし、公式のものだから安心」
と思っていませんか?

確かに、WordPress公式ディレクトリ(https://wordpress.org/themes/)で配布されているテーマは、基本的に安全性が確認されています。
しかし、注意すべきは**“非公式サイト”で配布されている無料テーマ**です。

中には、見た目が洗練されていて人気の有料テーマを装いながら、裏側に**悪意のあるコード(マルウェア)**を仕込んでいるものも存在します。
これらを不用意にインストールすると、以下のようなリスクがあります。

・ 不正なリンクを自動的に埋め込まれる

・ 管理者情報やメールアドレスを外部に送信される

・ 広告コードを勝手に挿入される

・ サイト全体を乗っ取られる

一見正常に動作していても、内部で悪質なスクリプトが動いていることがあります。
そのため、「無料テーマ=安全」という考えは非常に危険です。

✅ 対策

・ テーマは必ずWordPress公式ディレクトリ または 信頼できる開発元(国内外問わず) から入手する

・ ソースの出所が不明なテーマは絶対に使わない

・ 不要になったテーマもサーバー上から削除する

無料テーマでも公式配布であれば基本的に問題はありません。
安全性を判断する最大の基準は「どこから入手したか」です。

誤解②:「小さいサイトだから狙われない」

「うちは個人ブログだし、アクセスも少ないから大丈夫」この考えは非常に多くの初心者が持っています。しかし、これはセキュリティの世界では完全な誤解です。

攻撃者の多くは、特定のサイトを人間が目で見て狙っているわけではありません。
実際には「自動化されたボット(bot)」が、インターネット上のサイトを24時間体制でスキャンし、脆弱性のあるWordPressを探し出して攻撃を仕掛けています。

つまり、「有名サイトだから狙われる」わけではなく、“守りが甘いサイト”が狙われるのです。特に最近では、AIを利用した攻撃スクリプトが進化しており、規模に関係なく自動的に狙われる時代です。

規模の小さいブログでも、攻撃ツールの対象になる確率は変わりません。
そして、一度侵入されてしまうと、以下のような被害が生じます。

・ 自サイトを踏み台にして、他サイトへの攻撃に利用される

・ スパムメールの送信元にされる

・ サイトの評価が下がり、Google検索から除外される

・ サイト訪問者をウイルス感染させるリスクが生じる

✅ 対策

・ セキュリティプラグインを導入して最低限の防御を固める

・ WordPressとプラグインを常に最新状態に保つ

・ 不審なアクセスやファイル改ざんを定期的にチェックする

「小さいサイトでも攻撃対象になる」という前提を持つことが、最初の防御になります。

誤解③:「サーバー側のセキュリティに任せれば安心」

「エックスサーバーとかConoHaとか、有名サーバーを使ってるから大丈夫」確かに、最近の国内レンタルサーバーはセキュリティ機能が非常に優秀です。WAF(Web Application Firewall)やウイルススキャン機能、SSL化(https対応)など、サーバー全体を守る防御策が充実しています。

しかし、これはあくまで「外側の防御」にすぎません。
サーバーが守ってくれるのは、いわば“建物の外壁”まで。その建物の中にある“WordPress本体の設定”や“管理画面の挙動”まではカバーできないのです。

たとえば、以下のような状況はサーバー側では防げません。

・ 管理者パスワードが「12345」など簡単すぎる

・ ログインURL(wp-login.php)が公開状態のまま

・ 不要なプラグインが残っていて脆弱性を抱えている

・ WordPressのバージョンが古いまま

このような「WordPress内部の設定」部分は、ユーザー自身の責任で守るしかありません。
サーバーがいくら強固でも、WordPressの設定が甘ければ、攻撃者は簡単に中へ侵入してしまいます。

✅ 対策

WordPress側のログイン制限・通知設定を必ず行う

強固なパスワードと二段階認証を設定する

不要なプラグイン・テーマを削除する

サーバーのWAFやアクセス制限機能と併用する

サーバーとWordPressの両方でセキュリティを強化してこそ、初めて「守られている」と言えます。

補足:プラグインを入れすぎるのも危険

「セキュリティを強化したい」と思うあまり、複数のセキュリティプラグインを重ねて入れてしまう人がいます。しかし、これは逆効果になることも。

同じ機能を持つプラグイン同士が競合して、ログインできなくなったり、アクセス制限がループしてサイトが真っ白になるケースも少なくありません。たとえば、SiteGuardAll In One WP Security を同時に使うと、ログインページの制御が重複してしまうことがあります。

✅ 対策

・ セキュリティプラグインは 1〜2個までに絞る

・ 機能が重複していないか確認して導入する

・ トラブルが発生したら一度すべて無効化して原因を特定する

「たくさん入れれば安全」ではなく、“必要なものを厳選して正しく使う” ことが真のセキュリティ対策です。

🟧 WordPress初心者におすすめのセキュリティ対策まとめ

WordPressは世界中で最も利用されるCMSですが、その利便性と普及率の高さゆえに、攻撃の対象になりやすいというリスクがあります。

管理画面への不正ログインやスパム投稿、マルウェア感染など、セキュリティ対策を怠ると深刻な被害につながることも少なくありません。初心者は、まず基本的な防御策から取り組むことが重要です。

セキュリティ対策の基本は、システムや拡張機能の定期的な更新、強固なパスワードの設定、不要な拡張機能の削除、そしてバックアップ体制の確保です。

更新を怠ると、既知の脆弱性を狙った攻撃に簡単にやられてしまいます。また、拡張機能を無秩序に追加すると競合や動作遅延の原因となるため、必要最低限を厳選して導入することが安全運用のポイントとなります。

基本的な防御策として、まずログイン画面や管理画面への不正アクセスを防ぐ機能が重要です。管理画面のURL変更やアクセス制限、ログイン試行回数の制御、通知機能などを設定することで、多くの不正アクセスを自動的に防ぐことができます。
これにより、運営者は日常の更新作業やコンテンツ作りに集中でき、安心してサイトを運用できます。

さらに、サイト全体を多角的に守るためには、ファイルやデータベースの保護、スパム対策、ユーザー権限の管理など、複数の防御層を組み合わせることが効果的です。
これにより、ログイン防御だけでなく、サイト全体の安全性を高めることができます。多機能なシステムは設定に少し時間がかかる場合もありますが、基本機能だけでも十分に防御力を発揮します。

また、攻撃を防ぐだけではなく、万が一被害を受けた場合に迅速に復旧できる体制を整えることも重要です。定期的な自動バックアップを実施し、外部ストレージに保存しておくことで、サーバー障害や不正アクセスによるデータ損失を最小限に抑えられます。
初心者でもウィザード形式の簡単な操作でバックアップ体制を整えられ、万が一の場合でも短時間でサイトを復元可能です。

これらの基本対策を組み合わせることで、ログイン保護、サイト全体の防御、バックアップの三層で安全性を高めることができます。

セキュリティは一度設定すれば終わりではなく、定期的に更新や確認を行い、常に最新の状態を保つことが重要です。

まずは基本からしっかり対策を行い、安心してWordPressサイトを運営できる体制を作ることが、長期的に安全なサイト運営の第一歩となります。

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